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子どもへのおもちゃの与え方と子どもの叱り方:社会心理学の知見を応用して

Posted at 19:19 on July 4, 2009

Last updated at 01:25 on March 11, 2010

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» 【62】ヒント満載!「脳科学おばあちゃん」の叱り方 – 日経ビジネス Associe(アソシエ)

おもちゃで「モデリング学習」

相談者の母親:おもちゃはどんなふうに与えたらいいのか

おばあちゃん:同じものを2つ用意しろ。子供はまず親のやり方をまねるところから始めるものだ。鈴のいっぱいついた輪っかのおもちゃなら、横に振ったり、右手に持って左の手に当てて鳴らしたりして、いろいろに楽しめることを親が見せれば、子供はまねるそのうち自分なりの遊び方も発見する (番組で実際にこう答えているわけではないが、趣旨は違っていないはず)

これは、心理学では「モデリング学習」と言って、その有効性は学問的に証明されている1。企業研修などではソーシャルスキルトレーニングとしても使われている。ビジネスパーソンも、OJTで先輩の技を学び取ることは日常的にやっているはずだ。まずまねをして、その中からヒントを得て、独自の方法を生み出していく。おばあちゃんが言っていることと、ビジネスパーソンが現場で叩き込まれていることは、実は同じことだと感じた。

ふむ、確かに一理ありますね。

まねから入ってそれをより洗練させる……日本人が得意と言われてきたことじゃないですか。おもちゃの与え方は、子どもが生まれたら実践してみようと思います。

モデリング(modeling)は観察学習(observational learning)とも呼ばれ、この研究で有名な研究者はバンデューラ(Bandura, 1971, 1977)ですね。バンデューラによれば、モデリングの主要な効果として以下の3つが挙げられるといいます(社会心理学用語辞典)。

  1. 観察学習効果:新たな行動型の習得
  2. 制止・脱制止効果:既知の行動の制止および脱制止
  3. 反応促進効果:いわゆる社会的促進効果

さらに、「子供をどんなふうに叱ったらいいのか」という母親からの相談には、ビジネスパーソンが学ぶべきヒント満載だった。「すぐ怒鳴ったり、直接手を上げないことだね」とその場の感情に駆られて瞬間的に反応することを戒め、「4段階で叱る方法」を説いている。

第1段階:「コラ!」と声をかける。

とは言っているが、おばあちゃんの意図はこうだ。いきなり手を出すのはやめろ。まず、間違いを犯している者に対して、ためらわずに注意を喚起する大切さを強調する。

第2段階:「またやったな、もうやるなよ!」と教えさとす。

第3段階:「今度やったら、しゃもじでぶん殴るぞ!」と威嚇する。

第2、第3の2段階を、あえて挟み込んで、問題行動発見時から懲罰までの時間を置き、わき上がっていた怒りの気持ちを徐々に落ち着かせるために多少長めの言葉をかける。これで母親の気持ちは怒りから、指導モードに切り替わることだろう。

これでも聞かない子供に対して用意されているのは第4段階の懲罰だ。「しゃもじ持ってこい!」。懲罰の道具は瞬時に繰り出せる自分の手ではなく、しゃもじ。しかも、それで叩かれる本人に持ってこさせるという手続きを踏むことで、子供に叱られたことの意味を考える時間を与え、今後の自分の行動修正についての気づきを促すことになる。同時に、母親をさらに冷静にさせることになる。

せっかくおもちゃのほうでは心理学を引き合いに出してるんだから、こちらでもそれを示してほしいですね。それとも、こっちは実証研究がないのでしょうか。

直感的には、「まぁこれでうまくいくこともありそうではあるね」という感じです。叱るというのはやっぱりコミュニケーションですから、相手や状況に合わせた方法が必要なんじゃないかなと思う今日この頃です。

  • 1 蛇足ですが、心理学(少なくとも僕の専攻している社会心理学)の分野では「証明」という言葉を使いません。何個かの研究から「100%こうだ!」と言い切ることなんてできませんからね、基本的に。例えば何らかのデータをとるときにいろんな誤差を間違いなく0にできるというなら話は別ですが。「示唆された」とか「仮説が支持された」という表現を使いますね。もしかするとこのあたりは分野によるのかもしれませんが。

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